がんを宣告されて間もない頃や、治療が始まったばかりの頃って「この先私ってどうなるんだろう?」って不安になりますよね。
・手術後、自分の身体にどんな変化があるんだろう…
・今まで通りに暮らせるのだろうか…
・後遺症ってあるのかな?
などなど、気になることが沢山あってググったり、SNSを読み漁ってしまったりして、かえって不安な気持ちになってしまうことも。
実は、この先の見えない「不安」を少しでも軽くすることが、病気と闘う上で大事なんですよね。なぜなら、不安によるストレスって免疫力を下げることが分かっているから。
私は、子宮頸がんから10年経ったサバイバーです。今、あなたが気になっている「見えない不安」を私はこの10年ですでに乗り越えているかもしれません。
この記事では、そんな風に悩まれている方の一つの参考になればと、10年経った子宮頸がんサバイバーの今をお伝えします。
とは言え、あくまでも私の体験談ですので、こんな人もいるんだな~くらいに読んでみてください^^
当時の私が気になっていた
・子宮を全部取ったらどうなるのか?
・治療や検査はいつまで続くの?
・食生活は変えなきゃいけないの?
・10年経ったら不安はなくなるの?
こんなことを踏まえながら、経験談をお伝えしていきますね!
まずは10年前の状況おさらい
まずは私の、子宮頸がんになってから今までの10年の経過をお伝えします。
簡単ですが、こんな感じです↓↓
2012.10 | 子宮頸がん発覚(ⅠB2期) |
2012.11 | 広汎子宮全摘出手術 骨盤リンパ節、傍大動脈リンパ節転移あり (ⅢC2期) |
2012.12~2013.4 | 抗がん剤6クール(シスプラチン・パクリタキセル) |
2013.7~ | 仕事復帰 |
2015.4~ | CVポート抜去 |
2015.6~ | ホルモン療法しないと決断 骨粗しょう症予防薬開始 |
2023.5 | 現在 再発なく元気! 年に1回のCT検査、骨密度検査 継続中 |
広汎子宮全摘手術の影響
はっきり言って、今は至って普通に元気です!
何なら生理がなくて面倒はないし、生理痛もないし、ナプキン代かからないしラッキー!って思えてるくらいです笑
とは言っても影響が何にもないわけではないので、当初心配していたことと照らし合わせて書いてみますね。
(0)ホルモン療法はしていません
(1)更年期障害
(2)骨粗しょう症
(3)排尿障害
(4)排便障害
(5)性生活
(0)ホルモン療法はしていません
まず、広汎子宮全摘手術の影響をお話する前に、前提をお話しておきます。
私は、ホルモン補充療法をしていません。
ホルモン補充療法をしていない、広汎子宮全摘手術をした10年後の状態、ということで読んでみてもらえればと思います。
私の手術は広汎子宮全摘出手術で、卵巣も両側取っていますので、女性ホルモンの急激な減少により
・更年期障害
・骨粗しょう症
・性交障害
などの様々な症状が予想されました。これらの症状を緩和する治療の一つに、ホルモン補充療法があります。私の場合、手術や抗がん剤治療が終わって1年くらいたって、ひとまず転移や再発がないと確認された頃、主治医がホルモン補充療法をどうするか、と切り出してきました。
単純に考えれば、
ホルモン補充療法して、更年期障害が減り、骨粗しょう症になりにくく、性交障害も少なくなるなら、やった方がいいよね?
と思うところなのですが、どうやらそう単純なことではなく、ホルモン補充療法をすることで再発のリスクが高まる場合もあるそうなんです。子宮頸部腺がんの場合、ホルモン療法をすると再発リスクが2~3倍に増加するという研究報告があると主治医に説明されました。
私の場合は、と言うと「腺扁平上皮がん」と言って腺がんと扁平上皮がんが混在しているタイプで、主治医も2例ほどしか診たことがない珍しいタイプだったんですね。
(宝くじは当たらないのに、なぜこんなレアなのに当たるんでしょう…(笑))
なので、主治医も論文を調べたり、学会で他の先生に聞いてくれたりして、ホルモン補充療法をすべきかどうか、しっかり考えてくれました。そのうえで主治医は…
データが少ないから、腺扁平上皮癌の患者にホルモン補充療法をすることが、再発リスクを高めるのかどうかははっきり言えません。
でも、ホルモン補充療法によって再発リスクが高くなると言われる’腺がん’の要素はあるわけだし、再発リスクが高まる可能性が少しでもあるなら、その可能性は排除したい。
…と説明してくれました。
それに関しては私も同意見で、将来、更年期障害に苦しむかも?骨がもろくなって寝たきりになるかも?前のように夫婦生活が送れなくなるかも?…という将来のことよりも、今、再発しないで生きる!ってことの方が重要だったので、ホルモン療法はしないという選択をしました。
ですので、以下の体験談は、ホルモン療法をしていないという前提で読んでくださいね。
(1)更年期障害
閉経前に卵巣を切除すると更年期障害のような下記の症状が出ることがあります。
・のぼせ
・冷や汗
・頭痛、頭重
・動悸
・息切れ
(参考:『専門医と534人の体験者が伝える子宮がん・卵巣がんの治療法と術後の暮らし方』宇津木久仁子 著)
広汎子宮全摘手術で卵巣も取ってしまった私。現在、上記のような症状は全くありませんが、術後、1~2年はたまにホットフラッシュと言われる、顔がカーっと熱くなるようなことがありました。
今はホットフラッシュ全くありません!
あとは、頭痛かな?頭痛は食後などによくあって心配だったので、主治医に相談したところ、脳外科でMRIを撮ってもらいました。
5年経つまでは、少しでもどこか痛かったり、違和感があると、
「再発じゃないよね?」
「転移じゃないよね?」
って心配だったので、脳のMRI検査で何もないとわかった時は本当に安心しました。
今思えば、更年期障害みたいなものだったんですね、きっと。
ガマンできないほど強い痛みではないのですが、頻繁にあるので心配だったんです。
それから1~2年くらい、婦人科の後には脳外科も行く、という流れになっていたのですが、頭痛もいつの間にか治まってきていたので、脳外科は行くのをやめました。
やっぱり2科受診すると通院が長くなりますからね…
私の場合、更年期障害のような症状としては、術後2~3年にホットフラッシュと頭痛があったくらいでしたね。今はすっかり症状はなくなりました。
(2)骨粗しょう症
閉経前に両側の卵巣を摘出した場合は、将来、骨がもろくなり骨折しやすくなる『骨粗しょう症』になる可能性が高くなります。
それを防ぐためにも、ホルモン補充療法が検討されるのですが、冒頭でもお伝えしたように、私はホルモン療法をしない、という選択をしました。
介護の仕事をしていて、よくおばあちゃんが骨折してたのを聞いてたけど、私もあんな風になるのかなぁ…寝たきりになっちゃうかも?
こんな心配ももちろんありましたが、そんな先の心配よりも、今生きることが大事!
…ってことで、根本的な解決になる治療ではないものの、骨粗しょう症の予防薬を服用することになりました。これは一生服用する薬ですね。
そして、年に1回デキサという機械で腰椎の骨密度の検査を行ない、骨密度を計測しています。このデキサは、その辺の整形外科などでかかと等で計測するものより、精密に測れるものらしいです。
やはり同年代の方と比べると、80%程度とすでに骨密度は低め。あとは食生活や運動で、自分なりに気を付けていくしかないですね。
自覚症状は特にないのですが、ある冬の時期、大雪が続いて、毎日雪かきに追われたことがありました。その時、肋骨にわずかにヒビが入ったんです。レントゲンにうつらない程度のヒビですが…
雪かきで肋骨にヒビが入った人なんて、周りに誰もいなかったので、『やはり骨がもろいのかもしれないな』と危機感を感じてしまいました。肋骨は骨の弱い人はくしゃみでも折れたりするって言いますもんね。今後もここは気を付けていきたいところです。
(3)排尿障害
広汎子宮全摘出手術で気になるのは排尿障害ですよね。
手術前は本当に出なくなるのか不思議でしたが、本当に出なくなりましたね。全く尿意を感じないのに導尿してみるとすごい量がたまっててビックリしました。
それでも少しずつ尿意が出てきて自尿も増えてきたのですが、手術後、3週間ほどの入院の間では完全によくならなかったので導尿キットを買って自宅でも導尿をしていました。
たいていは入院中に改善する、と聞いていたのに治らず、自宅で自己導尿しなきゃいけないことはショックでした…
ですが、自宅に戻ったら、割と早めに改善して導尿は卒業できました。退院後1か月以内には解消されていたように思います。
尿の出方は、今でも尿がたまり過ぎると腹圧をかけないと出にくい時があったり、キレイにシャーっと出ない感じがありますが、特に不便はないです。
中には尿漏れする人もいるようですが、私は、尿漏れについては一切ないです。
(4)排便障害
これは今は全くありません!いたって快便です。
術後、抗がん剤治療が終わるまでは、便をやわらかくするお薬を服用していましたが、その後普通に食べて身体を動かすようになったら通常に戻りました。もともと快便な方だったので( *´艸`)
(5)性生活
今、一番影響があるのが、この性生活についてだと思います。
これについてはまた別でしっかり取り上げたいと思いますが、私も今悩んでいる真っ最中ですね。
はっきり言って、性欲もなくなったし、しなくて良いなら本当はしたくないくらいです;;何とか数年は痛みにも耐えて頑張っていたのですが、今は、ちょっと勘弁してもらっている状態…
夫には本当に申し訳ない気持ちですが、数年、二人で悩んで導き出した妥協案、と言ったところですね。
でも、もっと良い方向に進んで行きたいとは思っているので、私もこのブログをきっかけに性生活問題について調べて取り組んでいこうと思ってます。別記事でしっかり取り上げていきますね。
こちら読んでくださっている方で、同じ悩みを乗り越えた方がいらっしゃったら、是非教えてください!
こちらのLINEからメッセージを頂けると嬉しいです🙏
▶ LINE「ちーママ@子宮頸がんサバイバー」
3.今も続いている治療や検査
10年経った今も、続いている治療や検査があります。
選択的エストロゲン受容体調整薬という薬を1日1粒服用しています。
主治医からは、ビビアントというお薬の処方を受けていますが、薬局でジェネリック薬を選択しているため、実際に服用しているのは「バゼドキシフェン20mg」です。
これは一生飲み続ける薬になると思います。主治医からはたまに飲み忘れたからって、すぐどうこうなるような薬じゃないよ、と言われています。一応、この薬のおかげもあってか、今のところ骨密度検査で大きな骨量の減少は見られていません。正常な人と比べると80%くらいです。
10年経過しましたが、まだCT検査をしています。
主治医としては、やはり珍しいタイプのガンだったため、再発リスクが高いと考えているようです。
今回、このブログを書くのに、過去の「説明と同意書」なども見返したのですが、どうやら「腺がん」と思って手術したら「扁平上皮癌」もあって、初めに「扁平上皮癌」とわかっていたら手術の前に放射線治療が有効だったかも、というのもあったみたいなんですね。
ま、正直、素人が聞いても良くわからなかったのですが…
結局、放射線治療はしなかったので、主治医としては、もし再発しても放射線が残っているから早期発見したい、と思ってくれているようです。私も、10年経っても完全に再発しない、とは思っていないので、検査してもらえるなら、と続けることにしました。
当初はずっと造影剤を入れて検査していましたが、数年後、検査中に嘔吐してしまって2回ほどそれが続いたので、今は造影剤はなしの検査となっています。
デキサとは、日本骨粗鬆学会ガイドラインや世界中の骨粗鬆症ガイドラインで基準測定器として定められているX線骨密度測定装置です。
PETCTにCTにデキサ…もう私は被爆しまくりです笑
このデキサで年に1回骨密度検査を受けています。骨密度は2020年6月時点で0.795g/㎠です。
また今月受けてくるので、受けたら結果を載せますね。
4.今の食生活
術後、転移が発覚して抗がん剤治療をすることになってから、とにもかくにもガンを全部やっつけたい!!!やれる事は何でもやろう!!という気持ちで食事療法をがんばりました。
でも、やはり時間もお金もかかるので、その後は少しずつゆる~くしていって、今はもう普通ですね。でも少しだけ気を付けているのは下記のとおり。
こんな程度ですね。
でもガンになる前なんて「添加物なんて気にしてらんないよ!そんな長生きしたいわけじゃないし~」くらいに思って、商品の成分表示なんて確認したことなかった私。
それが今じゃぁ、しょうゆ一つ買うのも裏の成分表示を見て、しばらく悩むほどになりました(笑)
好きだった地元のしょうゆの成分表示を見た時、添加物だらけでショックでした。で、国産大豆で余計なものが入っていないしょうゆにしようと思うとお高めだし…
でも、自分が気を付けて買い物することで、将来の娘の健康のため、家族のためにもなるので、引き続き自分で取り入れやすい範囲で、健康的な食事を心がけていきたいです。
また病気になって医療費かかるより、高いしょうゆ買って健康でいられる方がいいですよね(笑)
5.10年経った今の気持ち
子宮頸がんと宣告されてから10年半。(今は2023年5月)
色々気持ちの浮き沈みもあったけど、今が一番気持ちが楽で幸せでいられています。夫との仲も今が一番いいんじゃないかな。ガンになる前よりも。
何よりも自分を大切にするようになりました!自分を大切にすることが、家族のためにもなるんだなと感じています。とは言え「自分を大切にする」って抽象的ですよね。
私の中では具体的に言うと…
①自分の嫌なことを明確にしておいて、その嫌なことはしないようにする
②考えても仕方ないことは考えない
③家族のため、とか子供のため、とか自己犠牲の自分に満足してないか注意する
こんなとこですかね?
まぁ、ちょっとでも「何か嫌だな」「ストレス感じるな」ってことを無視しないで、「どうして今そんな風に感じたんだろう」と自分を紐解いてみたりしています。紐解いているうちに、どうってことないじゃんって気づいてストレスがなくなっています。
それから、病気に対する意識としては、10年経ってもまだまだ「再発の不安」はあります。主治医が慎重だからなおさらだけど。油断しちゃいけないな、免疫が下がるようなことしちゃいけないな、って意識しています。
とは言え、今は食生活もゆるいし、運動もほとんどしてないし、普通に過ごしています。それでも、意識するかしないかで行動も変わるし、目に入る情報も変わってくると感じています。
この小さな積み重ねの先に、笑って過ごしている老後があったらいいな、って思います。
6.最後に
今回は「子宮頸がんから10年経ったサバイバーの今」について書かせていただきました。
10年経った子宮頸がんサバイバーの現状を知っていただき、今、子宮頸がんと宣告されて先が見えなくて不安な方に、少しでも参考になったら嬉しいです。
ブログ更新のお知らせや、お悩みなど気軽に相談できるようにLINE公式を作りましたので、何か周りに言いにくいことなどありましたらお気軽にご相談ください。
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